ウサギの解説
ウサギの分類と分布
ウサギ目ウサギ科。
ペットトレードで流通するウサギは、分類上、野生種とは別のカイウサギ(またはイエウサギ)と呼ばれます。
一般的には生物学的な話題でない限り、単にウサギと言う場合はカイウサギのことを指すものとして問題ありません。
カイウサギの原種となったのはアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)という種類で、イベリア半島周辺(アルジェリア北部、モロッコ北部、スペイン、ポルトガルなど)に棲息していました。
それがヨーロッパをはじめ世界中に持ち込まれたりして分布を広げました。
飼育下の寿命は5~10年。
ウサギの品種
1800年代にオランダで改良が進み現在の多種多様な品種が生まれました。
ペット用だけでなく食肉用・毛皮用などの品種も多数あります。
こういった品種も含めて150種以上の品種が知られています。
現在では欧米でラビットショーとして品種のコンテストが盛んに行われています。
ペット用として現在国内で見かける品種は下記のものがほとんどです。
個人的な感覚として、よく見かける順番です。上の方ほどよく出回っているように思います。
ネザーランドドワーフ
ホーランドロップ
ミニライオン
ドワーフホト
ミニレッキス
ジャージーウーリー
アメリカンファジーロップ
ジャパニーズホワイト
ジャンボウサギ
フレミッシュジャイアント
アンゴラ
飼育するなら上から5品種までがオススメです。
他はマニア向けになっていきます。
さて、ペットショップでは「ミニウサギ」という名前で売られているウサギを見かけることも多いと思います。
これは品種名ではなく、「小型系の雑種」という意味合いです。
良心的、専門的な店では「MIX」という表記になることも多いです。
ですので、小型種の代表、ネザーランドドワーフより大きくなることがほとんどです。
ウサギの飼育
ウサギの飼育について要点をまとめます。
- エサは牧草とペレット
- 暑さに弱く、比較的寒さに強い
- 人に慣れるが遊ばせないとストレスがたまる
- 病気や体調不良を隠すため異変に気付きにくい
- トイレは覚えることが多い
- 換毛期があり、ブラッシングはほぼ毎日必要
- アレルギー体質の方には厳しい
- ベビーはあっさり死んでしまうことがある
さて、順番に見て行きましょう。
- エサは牧草とペレット
ウサギは完全草食です。牧草(チモシー)を24時間食べ放題に与えます。
ペレットは若い個体では食べ放題に、成熟したら控えめにして与えます。
ウサギは食餌内容の変化に敏感なのでペレットや牧草の銘柄は変えず、規則正しい給餌を心がけます。
- 暑さに弱く、比較的寒さに強い
ウサギは冷涼な気候を好みます。汗をかく能力が弱く、耳の血管から熱を逃がすことでしか体温を下げることができません。
飼育適温は16~22℃です。夏場、最高28℃程度まで抑えれば問題ありません。
冬は室温にもよりますが、ケージ内に局所的にヒーターを付けると良いでしょう。
- 人に慣れるが遊ばせないとストレスがたまる
ウサギはよく人に慣れることが知られています。ウサギは本来、群れを作る社会性のある動物です。
気温が低いときにはお互い寄り添って体を温めあうような動物です。
「ウサギはさみしいと死んでしまう」というのはデマとして有名ですが、完全に真っ赤なウソとは言い切れません。
単数飼育で、飼い主がかまってあげないとストレスをためこんでしまいます。
しっかりコミュニケーションをとることで良いパートナーとなります。
- 病気や体調不良を隠すため異変に気付きにくい
ウサギは肉食動物に捕食される立場にある動物です。なので極力自分の弱さを隠そうとします。
しっかり健康状態をチェックするのが大切です。
深刻な異常を見逃していると、いきなり突然死のように亡くなってしまうこともあります。
- トイレは覚えることが多い
ウサギは排泄物の量が多いため掃除は頻繁に必要です。
特にウサギは水を飲む量が比較的多い動物なので排尿が多い傾向にあります。
ただ、ケージの一か所で排泄することが多く、その場所にトイレを設置する良いでしょう。
もちろん生き物に絶対はありませんので、個体によってはいつまで経っても覚えない場合もあります。
- 換毛期があり、ブラッシングはほぼ毎日必要
ウサギは春と秋に毛の生え変わりがあることが多いです。季節と関係なく突発的に生え変わることもあります。
ウサギは猫のように胃の中に入った毛玉を吐き出すことができないので、毛玉を飲んでしまうことがないように必ずブラッシングをします。
- アレルギー体質の方には厳しい
ウサギアレルギーもありますが、ウサギに欠かせない牧草はイネ科で、花粉が付いている状態です。
それを絶やさないように与えるのでイネ花粉のアレルギーがある人が飼育するのは困難です。
- ベビーはあっさり死んでしまうことがある
ウサギに限らず動物の赤ちゃんや子供は弱いものです。
しかも先述の通りウサギは病気や体調不良を隠しますので、ベビーを買ってすぐに亡くなったという話は後を絶ちません。
ウサギの飼育初心者の方はベビーではなく生後3か月上のヤングの個体を選ぶと良いでしょう。
当店でのウサギの飼育・展示・販売
当店ではウサギはネザー、ロップ、ライオン、アンゴラなど複数の種類をふれあいコーナーに展示しています。(最新の情報は動物たち紹介ページをご確認ください)
ほとんどの子は抱っこに慣らしてあるので、動物に不慣れな方やお子様でも抱っこできます。
ぜひウサギのぬくもりを体感してみてください。
当店のウサギは、展示専用、展示兼販売、販売専用の子に分かれています。
いずれにしてもベビーで入荷した場合は1か月以上育ててからしか店頭には出しません。
販売中のウサギについてはお気軽にお問い合わせください。