チンチラの解説
チンチラの分類と分布
和名:チンチラ
英名:Long-tailed chinchilla
学名:Chinchilla lanigera
分布:チリ
げっ歯目チンチラ科チンチラ属。
チリのアンデス山脈、標高400m~1650mまでの岩場の多いところに群れを作って棲息します。標高4000mまで適応できる(かつて棲息していた)とされていますが、野生個体の減少により現在ではその標高に棲息していません。
ここでいうチンチラはLong-tailed chinchilla(Chinchilla lanigera)です。これはペットや一般流通しているチンチラです。チンチラ属には他にShort-tailed chinchilla(Chinchilla brevicaudata または Chinchilla chinchilla)もいますが、どちらも野生個体は絶滅危惧種です。ワシントン条約で国際取引が厳しく制限されています。
一方、飼育下繁殖(CB)は海外で盛んに行われており、ペットとしては安定的に流通します。飼育下繁殖の個体はワシントン条約の制限を受けません。
チンチラの身体的特徴
野性下のチンチラは体長26cm以下、尾長18cm以下、体重は平均でオスが412gでメスが422g。飼育下では野生下より大きくなり性差が顕著に出て、メスが800g以下、オスが600g以下とされています。
チンチラの特徴としては、なんといってもその毛です。手触りのよいふわふわの毛がびっしりと生えています。毛皮として利用され乱獲られてきたのが野生個体の減少の大きな要因です。
また、チンチラは皮脂腺からラノリンという蝋を分泌し毛に含ませています。これが毛の光沢感や手触りの良さの秘密です。乾燥した火山灰を浴びることで、汚れやごみがからみついた余分な蝋を落として毛をきれいに保ちます。
あまり知られていないのが、チンチラは見た目に反して意外と素早いダッシュとジャンプができるです。最大で1.8mもの高さを飛べるとされています。他に外敵に襲われた時に、尿を噴射したり特殊なにおいを出して威嚇することができます。
適切な飼育下での寿命は15年程度です。
食性は草食で、植物の葉をメインに、果実や種、小さな昆虫を食べます。自生地での植生がそこまで豊富でないことから、粗食に強い性質があります。
標高の高い冷涼で乾燥した場所に棲息している上、汗をかく能力がないため、暑さと蒸れにめっぽう弱いです。30℃を超えると命にかかわるほどです。
チンチラの飼育
チンチラの飼育において最も問題なのは、夏場の管理です。飼育下の適温は16℃~21℃とされています。これにぴったり収めるのは現実的ではありませんので、夏場は26℃程度でエアコンを使用します。けれども、エアコンの冷風を直接あてると肺炎の危険があるため、部屋全体を冷やすのが重要です。
逆に低温には強く、野生下では氷点下にも耐えるとされますが、飼育下で再現するのはやめたほうがいいでしょう。
また、生涯にわたって歯が伸び続けるため、与えるエサが重要です。良質なチモシーを主食として良質な人工飼料(ペレット)を与えるのが大事です。
加えて、砂浴びをして毛をきれいにする習性のため、砂浴びは必須です。週3回、一回あたり15分間が最低限必要です。砂は必ずチンチラ専用のものを使います。
野生では群れを作るといっても、飼育下では喧嘩をしたときに逃げ場がないため、喧嘩で命を落とすことすらあります。必ず単独飼育をします。
飼育ケージは高さがあり、登って遊べるようにステップを設けた立体的なレイアウトにします。
チンチラのカラー
通常のチンチラはグレーから黒の毛が多く、お腹まわりだけ白い毛があります。このノーマルカラーをスタンダードまたはスタンダードグレーといいます。
他に様々なカラーが作られています。
ホワイト
全身真っ白で目は黒い。
パイド(モザイク)
全体的にホワイトであるが部分的に黒やグレーが入る。
シナモン(ベージュ)
すべての毛がシナモンブラウンになる。目は赤みがある。
ブラック(エボニー)
ほぼすべての毛が真っ黒になる。
当店で飼育・展示のチンチラ
アニマルカフェ マシュマロパンダではチンチラを常時展示・販売する方針です。
一般家庭での飼育例としてすべて既製品を使った飼育をしています。
販売中のチンチラについてはお問い合わせください。また、在庫がなくても一般的な品種であれば取り寄せ可能です。